問題
行列が表す平面の1次変換が,次の条件(1),(2)をみたすとする.
(1) は,任意の三角形をそれと相似な三角形にうつす.
(2) は,点を点にうつす.
このような行列をすべて求めよ.
出典:東京大学 1983年度 前期日程 第2次学力試験 文理共通 文科第1問・理科第1問
方針
任意の三角形が相似な三角形へ移るためには、特に原点、、 からなる直角二等辺三角形の形が保たれる。したがって、行列の2つの列ベクトルは長さが等しく、互いに垂直である。この条件から回転拡大型と反転拡大型の2種類の行列形に分け、点 の移り先の条件を代入して係数を決める。
解答
{(1)行列 の2つの列ベクトルを
とする。原点、、 を頂点とする三角形は直角二等辺三角形である。条件 (1) より、その移った三角形も相似でなければならないので である。
したがって、ある実数 によって、行列は次のどちらかの形に書ける。
または
である。前者は回転と拡大を合わせた形、後者は反転を含む形である。
(2)
まず
の場合を考える。条件 (2) より
である。したがって を得る。これを解くと である。
次に
の場合を考える。同様に である。これを解くと である。
よって求める行列は
および
である。
最後に十分性を確認する。得られた2行列はいずれも、すべてのベクトルの長さを一定の倍率 で伸ばし、角度を保つか向きだけを反転する変換である。したがって任意の三角形を相似な三角形へ移し、実際に条件 (1)、(2) の両方を満たす。}