問題
袋,袋のそれぞれに,1からの自然数がひとつずつ書かれた枚のカードが入っている。これらのカードをよくかきまぜて取り出していく。以下の問いに答えよ。
(1) とする。袋,のそれぞれから同時に1枚ずつカードを取り出し,数字が同じかどうかを確認する操作を繰り返す。ただし,取り出したカードは元には戻さないものとする。4回のカードの取り出し操作が終わった後,数字が一致していた回数をとする。,,,となる確率をそれぞれ求めよ。また,の期待値を求めよ。
(2) とし,は自然数とする。袋,のそれぞれから同時に1枚ずつカードを取り出し,カードの数字が一致していたら,それらのカードを取り除き,一致していなかったら、元の袋に戻すという操作を繰り返す。カードが初めて取り除かれるのが回目で起こる確率をとし,回目の操作ですべてのカードが取り除かれる確率をとする。とを求めよ。
方針
(1)は袋Aの取り出し順を固定し、袋Bの取り出し順を4文字の順列として見る。数字が一致した回数は順列の固定点数なので、固定点がちょうど1個、2個、3個、4個の場合を、残りの完全不一致の並べ方まで含めて数える。期待値は各回の一致を表す指示変数の和として求める。(2)は、残り3枚のときの一致確率が 、残り2枚のときの一致確率が 、残り1枚では必ず一致することを使い、待ち時間の和として を表す。
解答
(1)
袋Aの取り出し順を固定してよい。このとき袋Bの取り出し順は の順列であり、同じ回に同じ数字が出る回数 は、その順列の固定点の個数である。全体は 通りである。
固定点がちょうど1個の順列を数える。固定する位置は 通りで、残り3個は固定点をもたないように並べる。3個の完全不一致の並べ方は の2通りであるから、 通りである。
固定点がちょうど2個の順列では、固定する2位置を選ぶと、残り2個は互いに入れ替わるしかない。したがって 通りである。固定点がちょうど3個なら残り1個も固定されてしまうので、これは0通りである。固定点が4個は恒等順列の1通りである。
よって
である。
期待値は指示変数で求めると速い。 回目に数字が一致すれば1、一致しなければ0となる変数を とすると である。各回で袋Bの該当カードがその位置に来る確率は だから である。したがって である。
(2)
最初は3枚ずつ残っている。1回の操作で一致する確率は 、一致しない確率は である。カードが初めて取り除かれるのが 回目であるには、最初の 回が不一致で、 回目が一致すればよい。よって である。
次に を求める。すべてのカードが取り除かれるには、まず残り3枚の状態で初めて一致するまで待ち、次に残り2枚の状態で初めて一致するまで待ち、最後に残り1枚の状態で1回操作する。最後の1枚は必ず一致する。
残り3枚で初めて一致するまでの回数を とすると、その確率は である。残り2枚で初めて一致するまでの回数を とすると、その確率は である。全体で 回目にすべて取り除かれるには である。したがって のとき
である。 と置き直すと
であり、等比数列の和から となる。よって
である。