東北大学 1982年度
文理共通数学 前期 文系・理系 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系・理系
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)
- 解法
- 式変形、必要十分条件、不等式評価
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 —
問題
行列A=(acbd) (a,b,c,dは実数)はA2=Aを満たす.
(1) bc≧41のとき,aとdの値を求めよ.
(2) さらに,0≦a+b+c+d<2として,行列Aを求めよ.
出典:東北大学 1982年度 前期日程 第2次学力試験 文理共通 前期 文系・理系 第1問
方針
まず A2=A を成分ごとに比較し、特に bc=a(1−a)=d(1−d) を取り出す。実数 u について u(1−u)≦41 であることから、bc≧41 は等号の場合しかあり得ない。後半は a=d=21、bc=41 を条件 0≦a+b+c+d<2 に代入し、b+c と bc から b,c を決める。
解答
(1)
A=(acbd)
について A2=A であるから、成分を比較すると a2+bc=a,ab+bd=b, ac+cd=c,bc+d2=d である。特に bc=a−a2=a(1−a),bc=d−d2=d(1−d) が成り立つ。
任意の実数 u について u(1−u)=41−(u−21)2≦41 であり、等号は u=21 のときだけである。ところが仮定より bc≧41 である。一方で bc=a(1−a)≦41,bc=d(1−d)≦41 だから、すべて等号でなければならない。よって bc=41,a=d=21. (2)
(1)より
A=(21cb21),bc=41
である。
条件 0≦a+b+c+d<2 に a=d=21 を代入すると 0≦1+b+c<2 すなわち −1≦b+c<1 である。
また bc=41>0 だから、b,c は同符号である。もし b,c がともに正なら、相加相乗の関係から b+c≧2bc=1 となり、b+c<1 に反する。したがって b,c はともに負である。このとき −(b+c)≧2bc=1 より b+c≦−1. 先ほどの条件 −1≦b+c と合わせて b+c=−1 である。
したがって b,c は t2−(b+c)t+bc=0 すなわち t2+t+41=0 の二つの解である。これは (t+21)2=0 だから b=c=−21. よって
A=(21−21−2121)
である。
別解の視点
(2)では、bc=41 から b,c が同符号であることを先に押さえると場合分けが短くなる。正の場合は b+c≧1 で上限に反し、負の場合は b+c≦−1 で下限と合わせて等号しか残らない。