東京工業大学 2003年度
後期・理系数学 後期第1問
- 試験区分
- 後期
- 対象
- 全類
- 分野
- ベクトル、図形と方程式、論証・証明
- 解法
- ベクトル成分計算、座標設定、不等式評価、範囲評価
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 20分
問題
xyz 空間の2点 P,Q を,△OPQ (O は原点) の面積が正の一定値 S となるように動かす。P,Q から xy 平面に引いた垂線をそれぞれ PP′,QQ′ とし,△OP′Q′ の面積を S1 とする。ただし,O,P′,Q′ が同一直線上にあるときは S1=0 とする。同様に P,Q から yz 平面,zx 平面に垂線を引いて作った三角形の面積を S2,S3 とする。
(1) S2=S12+S22+S32 を証明せよ。
(2) S1+S2+S3 の最大値,最小値を求めよ。
出典:東京工業大学 2003年度 後期 後期・理系 後期第1問
方針
点 P,Q の座標をそれぞれ (p1,p2,p3),(q1,q2,q3) とおく。三角形の面積は,2本のベクトルの長さと内積から 4S2=∣OP∣2∣OQ∣2−(OP⋅OQ)2 と書ける。これを展開し,各座標平面への射影の面積の式と対応させる。(2)は非負数 S1,S2,S3 の平方和が S2 である条件のもとで和を評価し,等号が実際に実現できる配置を示す。
解答
(1)
P=(p1,p2,p3),Q=(q1,q2,q3) とおく。2本のベクトル OP,OQ が作る三角形の面積より
4S2=∣OP∣2∣OQ∣2−(OP⋅OQ)2
である。右辺を展開すると4S2=(p1q2−p2q1)2+(p2q3−p3q2)2+(p3q1−p1q3)2となる。
xy 平面への射影でできる三角形の面積は S1=21∣p1q2−p2q1∣ である。同様に,S2=21∣p2q3−p3q2∣,S3=21∣p3q1−p1q3∣ である。したがって S2=S12+S22+S32 が成り立つ。
(2)
S1,S2,S3 はいずれも 0 以上であり,(1)より平方和は S2 である。まず(S1+S2+S3)2≦3(S12+S22+S32)=3S2より,S1+S2+S3≦3S である。等号は S1=S2=S3 のときである。実際,r2=2S/3 とし,P=(r,−r,0),Q=(r,0,−r) とすれば S1=S2=S3=S/3 となるので,最大値は 3S である。
また,S1+S2+S3≧S12+S22+S32=S である。等号は2つが 0 で残り1つが S のときであり,例えば P=(2S,0,0),Q=(0,2S,0) と取れば,△OPQ の面積は S であり,xy 平面への射影面積だけが S になる。したがって最小値は S である。