問題
実数の組に対し,とおく.
(1) 放物線が点を通り,しかも直線のの部分と接するような実数の組と接点の座標を求めよ.
(2) 実数の組,に対して,およびとおく.実数,(ただし)に対して
であるならば,区間において不等式がつねに成り立つことを示せ.
(3) 長方形を考える.また,4点,,,をこの順に線分で結んで得られる折れ線をとする.実数の組を,放物線と折れ線に共有点がないようなすべての組にわたって動かすとき,の点のうちで放物線が通過する点全体の集合をとする.からを除いた領域を座標平面上に図示し,その面積を求めよ.
方針
(1)は接点の 座標を とおき、接する条件を 、通る条件を として処理する。さらに を通る条件で を決め、接点が 側にあるものだけを残す。(2)は で2次の項が消えて一次式になることを使い、端点で負なら区間内でも負であることを示す。(3)は折れ線 を避ける放物線を、 の上側にある場合と下側にある場合に分ける。長方形 に現れるのは上側の場合だけで、縦線分と斜め線分を避けるための の下限を固定した ごとに求める。最後に固定した で到達できる最小の を最小化し、 の境界と面積を出す。
解答
(1)
接点の 座標を とする。放物線 の導関数は である。直線 と接するので、接点での傾きが1に等しい。したがって であり、 である。また接点は直線 上にあるから である。すなわち であり、 を用いると だから である。
さらに放物線は点 を通るので である。ここに を代入して すなわち を得る。よって であり、 である。
それぞれの接点の 座標は だから、 のとき 、 のとき である。条件は直線 の の部分と接することであるから、 となる だけが適する。このとき であり、接点は である。したがって である。
(2)
差をとると である。展開すると の項が消え、 となる。したがって は の一次式である。
一次式を とおく。仮定より である。 のとき、ある を用いて と表せる。一次式の性質から である。右辺は負の数の和であるから である。よって が成り立つ。
(3)
折れ線 は、縦線分 と、斜め線分 と、縦線分 からなる。
放物線 が斜め線分 と共有点をもたないなら、 で は0にならない。したがってこの区間で か、または かのどちらかである。
まず が常に成り立つ場合を考える。縦線分を避けるためには、 で が に入ってはならない。しかも である。同様に でも であり、縦線分を避けるためには でなければならない。放物線 は下に凸なので、 では両端の値を結ぶ線分以下にあり、特に となる。したがってこの場合、長方形 の内部の点 で を通過しない。
よって に現れる放物線は を満たすものだけである。このとき縦線分を避ける条件は である。
固定した について、これらの条件を の条件に直す。まず より であり、 より である。また が で成り立つためには すなわち が必要である。
右辺 の最大値も考慮すると、結局 は より大きくなければならない。この3つの最大を調べると、 では が下限を与え、 では が下限を与える。実際、 では であり、斜め線分から来る最大値も 以下である。 では で、斜め線分から来る最大値も 以下である。
したがって、固定した に対して放物線が到達できる の下限を求める。 の側では の下限は である。 では、これは が大きいほど小さいので、 で最小となる。
一方、 の側では下限は である。 では、これは が小さいほど小さいので、やはり で最小となる。
よって固定した で到達できる最小境界は である。したがって、長方形 の中で放物線が通過できる点全体 は、この曲線より上側に現れる。したがって から を除いた領域 は、面積の計算上 で表される領域である。
よってその面積は
である。境界曲線 は、(1) で得た の放物線であり、折れ線に接する限界の放物線になっている。