問題
放物線と直線で囲まれる図形をとする.行列による1次変換を考え,,,とおく.が図形に含まれる自然数と,そのときのを求めよ.厳密にはとはで定められる図形のことである.
出典:大阪大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問
方針
行列を,長さを倍して原点まわりに回転する変換として読む。したがっての長さは,方向はで決まる。図形はにあるので,まず方向からに絞る。その後,として座標をと置き,放物線より上かつ直線より下という不等式での範囲を求める。最後にを調べる。
解答
行列
は,複素数で考えれば を掛けることに対応する。したがって,による一次変換は,長さを倍し,原点のまわりに回転する変換である。
初めのベクトルは
なので,の長さは であり,方向は正の軸からだけ回転した方向である。
図形は で定められる。特にである。の方向をの余りで見ると,では軸方向,ではの方向になる。したがってに入る可能性があるのは の場合だけである。
このとき
と書ける。つまり である。
まずより だから である。また放物線より上にある条件は である。整理すると すなわち である。この2次式の根は なので である。これとを合わせると である。 である自然数は であり,対応するは である。このうち上の範囲に入るのはだけである。したがって である。
このとき なので
である。
別解。行列計算だけで周期を見ることもできる。実際に計算すると である。したがって,と書けば である。では点は正の軸上にあり,ではとなるので,に入る可能性があるのはだけである。この場合の座標は上と同じく となり,同じ不等式判定からだけが残る。