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名古屋大学 1999年度
文理共通数学 第3問(a)・第1問

問題

(1) ベクトルが次の条件(*)をみたすとき,点の存在範囲を図示せよ.

(*) あるベクトルが存在して,が任意のベクトルに対して成り立つ.

(2) (1)で求めたに対して,条件(*)にあるベクトルを求めよ.

出典:名古屋大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問(a)/理系 第1問

方針

任意のベクトル に対する恒等式なので、 とおいて の係数を比較する。得られた条件は、2つの行ベクトル , が互いに直交する単位ベクトルであることを表す。そこから が単位円周上にある必要十分条件を取り出し、対応する を90度回転した2通りで与える。

解答

(1)

とおく。条件(*)は任意の実数 に対して が成り立つことを意味する。左辺を展開すると である。これが常に に等しいので、係数比較により を得る。

この3式から の条件を取り出す。第1式、第2式より であり、第3式を2乗すると である。したがって となり、整理して を得る。よって点 は単位円周上になければならない。

逆に、 ならば、たとえば とおくと となり、条件(*)を満たす。したがって存在範囲は で表される円周である。

(2)

とする。上で見たように は条件を満たす。また符号を全体に変えた も同じ3つの係数条件を満たす。

実際、 と直交し、長さが1であればよい。平面上で単位ベクトル に直交する単位ベクトルは2つだけなので、求めるベクトルは である。

別解。条件(*)は、任意の について、 方向成分と 方向成分の平方和が に等しいことを表している。これは、 が互いに直交する単位ベクトルであるときに成り立つピタゴラスの定理そのものである。したがって、まず 自身が単位ベクトルでなければならず、 が必要である。逆に が単位ベクトルなら、それに直交する単位ベクトルとして または を取ればよい。