問題
平面の原点を中心とし半径1の円上に定点をとる.同じ円上の点に対し,平面上の点をで定める.ただし,はとの内積である.このとき
(1) であることを示せ.
(2) となる点をすべて求めよ.
(3) 点が円を1回まわるとき,点は同じ円を2回まわることを示せ.
出典:京都大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験 文理共通 文系第1問・理系第1問
方針
円全体を回転しても内積や周回回数は変わらないので, とおいてよい。点 を と表すと,定義式の内積は になり, と二倍角で整理できる。(1)は長さ,(2)は になる角,(3)は偏角が の2倍で進むことを確認する。別解として,定義式を直線 に関する反転の向きとして読む幾何的な説明もできる。
解答
円を回転して座標軸を取り直しても,内積,長さ,周回回数は変わらない。そこで としてよい。円 上の点 を とおく。
このとき であるから,定義式より
である。
(1)
上の表示から である。よって である。
(2)
となるための条件は すなわち である。したがって より,円周上の点としては である。よって求める点 は,点 と,点 の対蹠点である。
(3)
である。点 が円 を1回まわるとき, は長さ だけ増える。このとき の偏角 は長さ だけ増える。したがって点 は同じ円 を2回まわる。
別解。 方向の単位ベクトルを とおくと,定義式は である。これは の 方向成分を反対向きに折り返し, に垂直な成分はそのままにする変換である。したがって長さは変わらず, の方向を とすれば折り返された向きは角 になる。これにより(1)と(3)が同時に分かり,(2)も折り返し後が となる軸が 方向またはその反対方向であることから分かる。